みなさんが、車の修理を整備工場にお願いしたときに、「ここの部品の交換が必要ですね」と言われて、見積り書や口頭で金額を言われることって整備工場では日常的な光景です。
しかし、その交換する部品は新品ですか?
ディーラーさんの場合は、基本的には新品で交換となりますね。(詳しくは、 ディーラー車検、格安車検と民間車検整備工場の車検の違いをご覧下さい。)
でも、自動車の整備をする時の部品って本当に新品だけなんでしょうか?家電でもなんでもリサイクル品なんてよく聞くのに?って思いませんか?
今回は、そんな自動車の修理の時に使われる部品についてご説明していきます。
部品の種類について
実際に修理の際に整備工場が使用する部品には次の4通りの部品があります。
- 純正新品
- 社外新品(優良社外新品とも言います)
- 中古品(リサイクル品 リユース品とも言われます)
- 再生品(リビルト品 リンク品とも言われます)
それぞれを細かく説明していきますね。
1.純正新品
文字通りの自動車メーカーのマークが入った純正の新品部品のことです。メーカーの保証がついている部品もあります。ただし、純正新品が部品の価格では最も高くなるケースがほとんどです。
ディーラーでは、基本的にこちらの部品を優先的にお客様へ提案しています。
どうして高い部品を売っているのか?なんで、みんな高い部品を買うのだろう?と質問されることはありますが、ディーラーも部品を売ることも仕事ですから、自分のメーカーが売っている商品は優先で販売します。これは、どこの会社でも同じですよね?
では、「なぜみんな高いのに買うのか?」
答えは、他の部品を提案していないからです。
こんなことを言うと怒られるかも知れませんが、皆さん家電を買うときに色々価格調査しますよね?でも他のお店の価格が一切分らない状況で家電を買わなければいけないとしたら、提案された価格が高いか安いかを判断することができません。
それと一緒です。後から人から高いと言われて初めて価格が高いのか安いのかが分かります。
ただし、安心感を求めたいから高くても良いんだ!という方もいらっしゃいます。純正部品が悪いと言っている訳ではありません。ご承知下さい。
2.社外新品
社外新品(優良社外新品)と言う部品があります。恐らく意味合いは全く通じない方が多いと思います。
ここでいう社外とは純正に対しての対義語の意味です。ですから、純正部品のように自動車メーカーのマークは入っていません。
社外新品の多くは、純正部品を製造しているメーカーが、純正部品を同じ仕様で自動車メーカーのマークを入れずに自社の製品として生産・販売を行っているものなんです。ですから、言い換えれば「純正と同じ材料で、同じ作り方をしてあるけど、マークの入っていないうちの商品」ということです。
ですから、部品にもよりますが純正新品よりも若干価格が安く設定されているものが多く有ります。
新品が欲しいけど、純正品より値段は抑えたいという人にはおすすめです。(でも、ディーラーさんではあまりいい顔されません。)
3.中古品
中古品(リサイクル品もしくはリユース品)ですが、これは文字通りの一度別の車で使用されていた部品で、その車を中古部品業者部品ごとに車を分解して、まだ使用できる部品を販売して流通しているものを言います。
ヤフオクやリサイクルショップなんかでも見かけることが多くなりましたので、これはイメージがすぐできます。
価格も新品の部品に比べると大きく安くなっていますので、修理金額全体を抑えたい時には使いたい部品です。
ただし、中古品の場合は、よく知らないと後で痛い目を見てしまいます。
その中古品がどれぐらい使用されていたのか?何年経過している部品なのか?どれぐらい走行していた車の部品なのか?部品の状態はどうなのか?など、色々確認しておかないと、交換した後ですぐに壊れました。なんてことになりかねません。中古品を使って修理をする場合は、このポイントは確認しておくべきですね。
次に、中古品には基本的には保証は無い。ということです。
「価格が安かったから中古品で交換したけど、1ヶ月でその部品が壊れちゃった。」なんて話しを聞いたことが有ります。
基本的には、中古品には保証は付いていません。1ヶ月後に壊れてしまっても、中古部品業者は保証してはしません。(さすがに、取り付けして2~3日で壊れたなんて時は、初期不良として保証として代替品を提供してくれます。)
ですから、中古品を使用して修理を行う場合は保証が無いということを念頭において、修理を依頼しましょう。
4.再生品
再生品(リビルト品もしくはリンク品)は、中古品と少し似ていますが、根本的には異なる部品です。
どういうことかといいますと、再生品は、壊れた部品の中味の部品を新品部品に交換して、外見は今迄の部品を使用して、中味だけ新しくしてある部品のことをいいます。
中古品も再生品も一度使われた部品と言う点では共通です。しかし、大きく違う点は「中味が新品に交換されているか」「これまで使用されていたそのままか」というところにあります。
ですから、再生品は半分新品のような部品なのです。
しかも、再生品はほとんど部品に保証がついていますので、中古品よりも安心感が高いですね。
価格は、中古品よりはもちろん高くなりますが、新品に比べると安くなりますので、新品だと高額だけれども中古品だと不安という方におすすめです。
まとめ
このように、修理に使用する部品だけでも色々あります。ただ、全ての部品で中古品や再生品があるわけではありません。
また、中古品を使用しない方がよい部品もあります。安いからといって安全に直結している重要な部品を中古品で交換して、事故になったなんてケースもあります。
最終的な部品を選ぶのはお客様ですが、修理内容・部品の状態・価格などを総合的に考えて使用する部品を選ぶ必要が有ります。